家主からの退去通告4

家主が住んでいる一戸建ての一部屋を貸間として借りていたところ、
家主が、「建て替えることになったので、
できるだけ早く退去してほしい」と言ってきた。退去したくなかったので、
「借地借家法の正当事由に当たらないのでは」と言った。

そうすると、後日、家主の代理人の弁護士という人から、
「貸間には借地借家法が適用されないので、
民法の規定通りに退去してもらうことになる」と言ってきた。
本当に、貸間には借地借家法が適用されないのか?

(回答)

判例によれば、一軒家はもちろんながら、貸間であっても
他の部分と区画されており、構造や規模から
「独立的排他的支配が可能」ならば借地借家法における「建物」に
該当するとして、借地借家法の適用があるとしています。

「独立的排他的支配が可能」というのは、
端的に言えば、玄関は家主と一緒に使っていても、
廊下から、家主が利用する部屋を通らずに、
直接借りている部屋に入ることができ、
その部屋は、カギによって施錠することができ、
室内においては、一般のアパートと同様に、
借主が自由に使えるような状態をさすと思います。

逆に言えば、専用のカギもなく、独立性が保障されているとは
いえないようなものについては、
借地借家法の適用がないということになります。

したがって、「貸間」と言っても、すべてが借地借家法の適用がないとは言えず、
実際の状況を見ないことにははっきりしたことはいえないのです。

なお、家賃や契約書の内容などが、一般のアパートに近いような場合には、
借地借家法の適用があると解するべきだと思います。

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