引越しの前には部屋を掃除しよう!

引越しの前には部屋を掃除しよう!

賃貸物件では引越しの際、専門業者によるクリーニングが行われる。ただし、だからといって汚れた状態で退去していいというわけではない。必要以上の費用を請求されないためにも、借主自身で掃除をし、気持ち良く明け渡すようにしたい。

そこで、引越し前に掃除しておくべきポイントをまとめてお伝えする。

日常的に汚れが溜まるキッチンなどは念入りな掃除が必要|引越しの掃除はココが大事!原状回復とクリーニングの基準

日常的に汚れが溜まるキッチンなどは念入りな掃除が必要

引越し前の掃除ポイント①床や窓はしっかりと拭き掃除

床については日常的に掃除機やワイパーなどで掃除をしている人も多いが、家具が置いてあった場所などは長年のホコリが溜まっている可能性がある。隅々までしっかりと拭き掃除をしたほうが良いだろう。床や畳は目地に沿って水拭き。濡れたままにしておくと、引越しが完了するまでにチリやホコリが溜まってしまうため、乾拭きで仕上げることをおすすめする。

また、意外と見落としがちな窓ガラスもしっかり水拭きを。専用クレンザーを使うと簡単に掃除できるが、擦りすぎて傷つかないよう注意しなくてはならない。砂埃や手垢がおおかたキレイになったら、本格的な磨き上げはクリーニング業者に任せれば良いだろう。サッシの溝部分もきれいにすることを忘れずに。

引越し前の掃除ポイント2②水まわりは市販の洗剤を活用

風呂、トイレ、キッチンのシンクなど水回りの掃除は、市販の洗剤を活用しよう。>風呂はカビ取り剤を使うとよりきれいになる。余分な汚れ、湿気や水分があると効果が出にくいため、事前に浴室用洗剤で掃除し、乾燥した状態にしておくと良いだろう。

配管の奥など、掃除しにくい部分は引越し後のクリーニング作業でも対応する。ある程度きれいになっていれば大きな問題はないだろう。

引越し前の掃除ポイント③キッチンの油汚れには重曹が効く

油汚れがたまりやすいキッチン。引越し後にクリーニングが行われるからと言って汚れたまま放置してはいけない。掃除を怠ったことによる汚れは原状回復義務の対象となるからだ。

キッチンの換気扇やガスレンジまわりには重曹がおすすめ。取り外しできるパーツは重曹を溶かしたお湯につけ置きし、汚れをこすると落としやすくなる。取り外しできない場所には重曹を撒き、濡らしたキッチンペーパーをかぶせておく。あとは、しばらく時間をおいてから拭き取ればきれいになる。

お世話になった感謝をこめて。引越し前の掃除はしっかり行おう

賃貸物件の退去時における原状回復とクリーニングについて、掃除のポイントも合わせてお伝えした。引越しをする際には、物件の原状回復がとても大事だということがおわかりいただけただろう。

日頃からしっかり掃除をしておけば、退去時の苦労を少しでも減らせるはず。ここでお伝えした掃除のポイントを参考にしながら、いつもきれいで快適な部屋を保つよう心がけてみてはいかがだろうか。

鍵交換とルームクリーニング代

国土交通省の「原状回復にめぐるトラブルとガイドライン」修繕表分担表では、

●専門業者による全体のハウスクリーニング(賃借人が通常の清掃を実施している場合)

●鍵の取り換え(破損・紛失のない場合)

は、貸主負担とされています。

 

クリーニング代請求が有効な場合は、

契約時にルームクリーニング代が説明され、費用も明示(合意)されているとき。清掃費用として相応な金額で、月額賃料の半分以下。

です。

ルームクリーニング代と補修費用は異なります!

 

鍵交換費用は、契約時に交換費用を請求するのが一般的です。

 

 

ハウスクリーニング費用と原状回復義務の特約(全国賃貸住宅新聞10/9号掲載)

入居者が退去することになり、退去時の状況を確認し、原状回復及びハウスクリーニングを実施することになりました。
賃貸借契約書には、「賃借人は、退去に伴うハウスクリーニング費用として3万円を支払う。」旨が定められていたので、敷金から3万円及びその他の原状回復費用を控除して返金したところ、原状回復の金額に納得がいかないとして、敷金の返還を求められています。
ハウスクリーニング費用は明記されているのですが、控除することができないのでしょうか。

回答

原状回復費用については、最高裁判例での見解やそれを踏まえた国土交通省によるガイドラインが発表されていますが、いまだに、紛争が多く見られる状況にあります。その原因は、原状回復義務に関する根本的な誤解が原因にあると思われます。
物件を貸す側から賃貸借契約の終了時の原状回復についてみると、貸した時の状態に戻して返却してもらうことを望んでいます。賃借人が利用して汚した部分や傷つけた部分を直すことはもちろん、次の入居者へ貸すためには綺麗な状態でなければ意味がないため、貸した時の状態に戻すことを当然のことと思っているかもしれません。

しかしながら、最高裁の判例や原状回復のガイドラインではそのような理解はされておらず、原状回復義務については、故意又は過失により傷つけたりした部分を直して、賃貸借終了時点の物件を返還することが前提となっています。ここで貸す側の思惑と大きく相違しているのが、原状回復すべき時点の捉え方であり、貸した時点の状況に戻すのではなく、借り終わった時点のものを返すことが前提にされています。

したがって、原則として、どちらの責任でもないような汚れや、通常使っていれば損耗又は消耗するような価値(「通常損耗」などと呼ばれます。)については、賃借人の負担ではなく、賃貸人が負担することになります。そのため、通常損耗に入るような内容については、賃貸人の負担であり、これを賃借人に負担させることは例外的、特殊な契約であるということになります。

原状回復の負担範囲に関して、紛争が耐えない中、最高裁の判例は、本来、賃貸人が負担すべき原状回復の範囲を賃借人へ転嫁するためには、賃借人において補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が具体的に明記されていることを求めており、それをうけて、通常損耗の範囲に該当するハウスクリーニングについて、金額を明記する契約書も増えています。

それでは、金額さえ明記していれば裁判所がハウスクリーニング費用の請求を認めてくれるかというと、必ずしもそうではありません。裁判例では、本来通常損耗であり賃借人へ転嫁していることを理解させた上で、金額を明記しているような事例で、かつハウスクリーニングが専門業者により実施されることも認識していた場合に、はじめて費用を負担させることを認めています。

金額を明記することも重要ですが、最高裁判例が示す明確性にとってより重要なポイントは、「本来、賃貸人の負担である費用を、特約により賃借人へ転嫁している」といるということが、賃借人に理解されているか否かという点です。ご相談のような、金額の明記のみがなされている場合は、賃借人が本来負担しなくてもよい金額を負担しなければならないと理解できる説明がなされていない限りは、原状回復費用を賃借人に負担させるものとしては有効にならないおそれがありますので、注意が必要です。

なお、改正民法においては、原状回復費用について、これまでの最高裁判例や国土交通省のガイドラインと同様の見解を前提として、賃借人が負担する原状回復の範囲から通常損耗を除くことが明記されます。改正民法では、法律上も明記されることからも、負担を転嫁する旨の合意や説明は改正後も求められることになるでしょう。