ゴミ処理2

自治体のゴミ回収ではなく、業者による毎日回収をしているが、
毎月「ゴミ回収代」として費用を請求される。自治体なら無料なので、
入居者が費用を負担するのは納得できないのだが‥。

(回答)

このような問題は、本来、契約前に「解決」しておくべき問題です。

学生マンションなどでは、入居者である学生が、
ゴミ出しルールを守らないケースがよくあり、
家主や管理会社が後始末をしなければならないということが少なくありません。

つまり、ゴミ出しルールは、主に次のような5つのルールがあります。
指定されたように分別すること、指定された袋に入れること、
指定された曜日に出すこと、指定時間帯に出すこと、指定の場所に出すこと‥。

しかし、これらのルールをすべて守ることができない入居者が、
一定の割合でいるのが現実でしょう。
仮に、100人が居住しているマンションで、わずか2~3名のルール違反者がいても、
結果的にゴミが散乱してしまい、近隣からの苦情に発展することになるのです。

そこで、このような現実を背景に、最初から、民間のゴミ回収業者と契約し、
「毎日回収」を行っている学生マンションがあるのです。
そして、入居者には、ゴミ回収費用として按分負担してもらっているのです。

問題は、このような点については、契約前の重要事項説明で、
必ず説明されているはずですので、万が一、説明がなかったとすれば、
仲介業者の責任ですが、学生が契約する場合、多くの場合、
重要事項説明を熱心に聞いているのは保護者であり、
本来、きちんと内容を把握しておくべき本人(学生)は、
「すべて親任せ」というような態度で、重要なポイントも聞き漏らしていることが
少なくないのが現実なのです。

相談者が、「聞き漏らしていた」かどうかはわかりませんが、
そういうようなことはなかったかどうかを確認してみることが必要です。

契約期間中に、自治体回収から、業者回収に切り替えになった場合にも、
家主や管理会社が一方的に「悪い」とは言えないでしょう。
それだけのメリットを入居者が受けるわけですから、
負担する費用が許容範囲内(日額30~50円として
月額1000~1500円程度)であれば仕方ないのではないでしょうか?

しかし、一方で、費用負担以外については、別の問題を指摘する声もあります。
つまり、自治体回収では、分別回収が義務付けられているにもかかわらず、
業者回収の場合、多くは分別しないため、ゴミを出すほうは気楽なのですが、
ゴミの捨て場所の負担が増えたりして環境問題を悪化させる元となったり、
入居者の環境マインドを醸成しないなどの点で問題ありという声もあるのです。

ゴミ処理1

ゴミの回収ルールを守らない入居者がおり、いつもゴミ回収場所がゴミで散乱してしまう。
近隣からも苦情が来るので、家主に苦情を申し立てたところ、
家主は、「ゴミ回収は入居者同士で話し合って解決してほしい」と言って取り合ってくれない。
今は、入居者の有志で後始末をしているが、何とかならないものか?

(回答)

家主の考え方が間違っていると思います。分譲物件と勘違いしているのでしょう。

分譲マンションなどでは、それぞれの入居者自身がオーナーであり、
管理責任者ですので、入居者同士が話し合って解決するしかありません。
そのために管理組合を結成するのです。

しかし、賃貸物件においては、それぞれの入居者はオーナーではありません。
管理責任も自分が借りている部分のみです。

ゴミ回収場所のような共用部分については、
その管理は、管理責任者である家主自身が行うべきなのです。
便宜上、入居者が共同管理しているような場合にも、
それは自主的なものであり、管理責任は、あくまで家主にあるのです。

家主は、家賃という対価を得て、他人に物件を貸している以上、
入居者に使用収益させる義務があるのです。
ゴミの回収を入居者にきちんと行わせ、ゴミの散乱を防止し、
それでもゴミが散乱して誰も後始末をしないような場合には、
家主がきちんと後始末をしなければならないのです。

そこで、入居者の連名で、家主に対して、
「家主には、入居者に対して使用収益させる義務があると同時に、
共用場所をきちんと維持する義務があるので、ゴミが散乱している場合には、
家主自身の責任で解決に当たってほしい」と言ってください。

他の入居者との家賃の違い3

同じ条件で入居していた人が、家主との交渉で、家賃の値下げをしてもらったという。
そこで、同じように、家主に交渉したところ、
「家賃の値下げをした人がいるからといって、事情も違うし、
同じように家賃の値下げに応じるつもりはない。」と一蹴されてしまった。

「では、その事情を教えてほしい」と言ったが、
それも、「個人のプライバシーに関わることなので話すことはできない」と言われた。
自分だけ、家賃の値下げをしてもらえないのは、不公平だと思うのだが、何とかならないか?

(回答)

借主には、家賃の値下げを要求する権利はあります。
しかし、どんな場合にも、家賃の値下げを要求できるわけではなく、
あくまで、不合理な家賃となった場合には、それを是正する権利があるに過ぎません。
家賃の値下げを勝ち取った人がいるからといって、
誰も彼もが同じように家賃の値下げをする権利があるわけではありません。
そして、家主が主張しているように、ほかの人の家賃を下げた理由について、
第三者(ご相談者)に説明しなければならない義務があるとはいえません。

家賃の値下げを要求したいのであれば、他の人の家賃値下げに関係なく、
ご相談者自身の部屋の家賃が不当に高くなっているということをきちんと説明し、
家主に家賃の値下げを受け入れてもらえるように交渉しなければなりません。

他の入居者との家賃の違い2

入居中、同じ間取りなのに、他の人よりも家賃が高いことがわかった。
そこで、家主に、「同じ間取りで安い家賃の人もいるので、
それに合わせて値下げしてほしい」と言ったが拒否された。

(回答)

借地借家法第32条では、
「建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、
土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、
又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、
当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。」としています。
つまり、法律上、家主にも、借主にも、家賃を増減する権利が認められているわけです。

「同じ間取りで」ということは、
「近傍同種の建物の借賃」ということと同じようにみなすことができますので、
同じ間取りにもかかわらず、ご相談者の部屋の家賃があまりにも高すぎる
というような場合には、「家賃を下げてほしい」という要求をすることができます。

しかし、「たまたま同じ間取りなのに家賃が安い人がいる」のか、
それとも、ご相談者の部屋のみが高すぎるのかによっても、
家主の対応は異なってくるでしょう。

また、たとえ、同じ間取りであっても、所在階や窓向きなどによっても、
家賃が異なるケースはよくありますので、誰が考えても、
不合理なほどの家賃の開きがあるかどうかがポイントになるでしょう。
もし、誰が考えても、不当なほどの家賃の開きがあるのなら、
家主に率直に家賃の値下げをお願いしてみてはどうでしょうか

定期借家契約での途中退去1

定期借家契約で一戸建ての借家を借りていたが、
このたび、自宅を新築することになったので、家主に契約解除を申し出たが、
「定期借家契約なので途中解約はできない。
どうしてもというのなら、契約期間終了までの家賃を支払ってから退去してくれ」と言ってきた。
家主の主張は横暴だと思うので、支払いに応じたくはないのだが‥。

 

(回答)

借地借家法第38条第5項では、
「居住の用に供する建物の賃貸借(床面積(建物の一部分を賃貸借の目的とする場合にあっては、
当該一部分の床面積)が200平方メートル未満の建物に係るものに限る。)において、
転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、
建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、
建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。

この場合においては、建物の賃貸借は、
解約の申入れの日から1月を経過することによって終了する。」と規定しています。
借家が床面積が200平方メートル未満の建物だとすれば、
検討すべきなのは、「自宅の新築」が、法に規定されている「その他のやむを得ない事情」に
相当するかどうかという点です。

そうすると、「その他のやむを得ない事情」とは、
「転勤、療養、親族の介護」などと同等の内容でなければなりませんが、
「転勤等」は、借主が自分の都合で決めることができないものだという点が共通しています。
つまり、借主が自分の都合以外で借りている物件に住み続けることが不可能になった場合に、
借主の解約件を認めなければ、借主は非常に不利な状況に追い込まれてしまうのです。
そこで、法は、こういう場合に限って、定期借家契約といえども、
借主の解約を認めることにしたのです。

「自宅の新築」は、借主の都合で行うことにほかなりませんので、
「やむを得ない事情」に該当するはずはないということになります。
したがって、借主の解約は認められず、定期借家契約を終了させることはできません。

あとは、家主との交渉次第で、一定の違約金の支払いを持ちかけて、
特別に解約を認めてもらえるように交渉するという方法を検討してみてください。
なお、万一、床面積が200平方メートル以上である場合には、
「やむを得ない事情」があっても解約できないことになっています。

部屋の移動

契約時には、日当たりのよい上階の部屋が満室だったので、
仕方なく日当たりのよくない部屋に入居していたが、このたび、
上階の部屋が空いたので、家主に、部屋の移動を申し入れた。

家主は、「部屋の移動はかまわないが、
管理会社を通じて手続きをしてくれ」と言ってきた。
そこで、管理会社に、家主の承諾を得たので、
部屋移動の手続きをしたいと申し入れたところ、
「書類作成手数料として更新手数料と同じ金額を支払ってもらう」と言われた。
1万円以上の費用になるので、拒否したいのだが、だからといって、
部屋移動もできないのも困るし、どうすればよいか?

(回答)

家主が部屋移動を承諾しているわけですから、
あとは、「契約書の修正」、あるいは「契約書の作り直し」が必要ということになります。

契約期間そのものが、従来の契約のままであるのであれば、
家賃や部屋番号のみを修正すればよいだけだと思いますので、
その場合には、「契約書の修正」のみでよいでしょう。

しかし、家主が契約書の作り直しを求める場合には、それに従う必要があるでしょう。
問題は、管理会社を通すことによって、多額の手数料を請求されることですので、
家主に事情を説明して、家主との間で直接手続きを行ってもらうようにするか、
それとも、家主から、手数料の減額(書類作成手数料なら、2~3千円程度に抑えてもらう)
を働きかけてもらうように、うまく説得してみてください。