契約書5

契約書の内容を見ていたら、「契約更新ごとに家賃を5%値上げする」となっていた。

そういう契約内容は不当だと思うのだが、削除を求めるべきか、

それとも、法的に認められないと思うので無視して契約したほうがよいのか?

(回答)

「契約更新ごとに家賃を5%値上げする」という合理的な根拠はあるのでしょうか?

万が一、そういう根拠があれば、「不当な契約」とは言えません。

しかし、ふつうは、「更新ごとの自動値上げ」を行うような合理的な根拠はないと思います。

そういう場合には、消費者契約法の「消費者の利益を一方的に害する条項は無効である」

に該当しますので、契約内容そのものが無効となります。

できれば、最初から削除してもらうほうがよいと思いますが、あまり強い交渉を行うと、

契約そのものができなくなる(家主が契約を拒否する)可能性もあります。

入居を優先したいのであれば、あまりに強い要求は避けたほうがよいでしょうが、

その代わり、契約更新時には交渉を行う必要があります。

どちらがよいとは一概に言えませんが、最終的には、借主の判断次第となります。

契約書4

仲介業者で受け取った契約書内容と管理会社から送られてきた契約書の

内容が異なるのだが、どちらが正しいのか?

(回答)

仲介業者が、本来、管理会社が指定する契約書を使用すべきところを、

自社で使用している契約書を間違って使用したことが原因だと思います。

そうだとすれば、正しい契約書は、管理会社が用意したものとなります。

そこで、万一、管理会社が用意した契約書の内容と

仲介業者で受け取った契約書の内容が大幅に異なり、

仲介業者で受け取った契約内容だったから契約したという場合には、

仲介業者に対して、損害賠償を行うことが可能となるでしょう。

引き渡し拒否

引き渡しの立ち合い時、原状回復費用の見積もりが納得いかず、検討するという返事をしたところ、引き渡しを拒否され、「今後も家賃は発生する。」と言われました。

この通り払わないと今後も家賃が発生し続けるぞという脅しのように感じられますが、こんな対応は有効ですか?

 

回答:

賃料:

賃貸借契約に於いて、賃料は「使用収益に対する対価の支払い」。

一定期間の空間等の利用権を賃料という名の代金で売買する契約と考えることができる。

または、占有する対価である。

 

自分の持ち物を搬出し、鍵を返却し(若しくは郵送(配達証明)ておけば、賃料の発生はありません。

部屋の引渡しとは:

1 自分の家具等をすべて搬出し、空っぽにします。

2 管理会社の担当者か賃貸人が来て、立会いをしてもらい、原状回復(この場合は、

自分が持ち込んだものの撤収)の確認をしてもらう。

3 そこで、管理会社の担当者若しくは、賃貸人に鍵を渡す。そこではじめて、

部屋を引き渡したといえます。

 

参考

賃料:

賃貸借契約に於いて、賃料は「使用収益に対する対価の支払い」。

一定期間の空間等の利用権を賃料という名の代金で売買する契約と考えることができる。

または、占有する対価である。

賃貸契約書の特記事項の原状回復費用の賃借人100%負担

賃貸契約書の特記事項に退去時の賃借人の負担として、畳・襖・障子・クリーニング費用・クションフロアは汚れがなくても100%借主負担とありました。確かに署名はしていますが、それだけで35万を超える請求額となります。ほとんど汚れていません。

特約事項は有効でしょうか?

 

回答:

特約に借主負担とあったとしても、消費者契約法第10条の不当条項の否定で、署名したとしても、借主負担とはなりません。
あくまで、入居者の毀損・破損・汚損があった場合のみです。
参考:

見解:原状回復特約

賃借人に修繕義務を課する特約も、民法の修繕義務の規定(民法 606 条)が任意規定であ

るため契約の自由の原則から認められます。

ただし、判例は、「賃借人が修繕義務を負担する」という特約は、単に賃貸人の修繕義務を

免除する意味しか有せず、賃借人に積極的に修繕義務を果たした趣旨ではないとしていま

す。(最高裁 43.1.25)

このため、賃貸人の修繕義務を免除するだけでなく賃借人に積極的な修繕義務を認められ

るためには、特別な事情が必要になってきます。(名古屋地裁 平成元年(レ)第 31 号)

つまり経年変化や通常損耗に対する修繕義務を負担させる特約は、可能だが賃借人に法律

上、社会通念上の義務とは別個の新たな義務を課することになるための次の「特別な事情」

が必要になります。

「特別な事情」については、国土交通省は、判例を分析した結果、

次の 3 つの要件を揚げています。

1.特約の必要性があり、かつ暴利的でないなどの客観的・合理的理由が存在すること

2.賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕費の義務を負うことについて認

識していること。

3.賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること。

ただし、判例の動向は「通常の生活者」が「通常の使用」をしている時にこのような

認識を持ち同意することは考えていません。

アパートを借りた場合、通常の使用に伴って部屋は経年変化し、古くなるのは当然です。

したがって、そのような賃貸借契約の性質から、入居者に新品に近い状態にして返還する

義務はないとされ、経年変化、自然の劣化・損耗による価値減少分は、賃料収入によって

カバーされるべきであると考えられているのです。

裁判例から具体的にどのようなものが、自然損耗にあたるかですが、畳、襖、障子、カー

ペットの時間の経過による損耗、結露や湿気による壁のクロスの汚損等がこれに該当する

とされています。

国土交通省ではこのように述べています。

「賃借人は、使用収益上の義務として契約又は目的物の性質から定まる用法に従い、目的

物を使用収益する義務を負うとともに、善管注意義務に従って、目的物を使用収益しなけ

ればならないと解されている。(民法 616 条、594 条 1 項)

しかし、その義務の内容や程度は、契約や状況によって異なると考えられる。すなわち、

対価を受けて他人の家屋等を管理する場合には、経年劣化等ができるだけ生じないように

細心の注意を払う必要があるが、賃料を支払って家屋を使用する場合には、そこで生活す

る権利が契約によって認められており、その反対給付として賃料を支払っているので、「通

常の生活」から生ずる家屋の損耗については、賃借人は、責任を負わないとするのが、判

例等の考えかたです。

一方、家屋の使用に伴う不法行為上の責任を考えた場合、賃借人は、当該家屋を使用する

権限があるわけであり、使用していることを理由に損害賠償を請求されることはないと考

えます。

そこで、使用により必然的に生じる損失が生じても賃借人には、そのような損失をもたら

さない不法行為上の注意義務はないと考えます。

つまり、賃借人は、「通常の使用」をしていて家屋に損失をもたらしたとしても、善管注意

義務違反とはいえないし、不法行為上の注意義務違反も無いと考えられる。このように、

民法の規定や過去の判例から整理されています。

「特約」条項の有効性

「畳の表替え費用、襖の張替え費用、障子の張替え費用は、それぞれ

の賃借人の負担とする」

「クロス(壁紙)の交換費用は借主が負担する」

「ハウスクリーニング代は退去時に賃借人が負担する」

「古くなったカーペットの交換費用を敷金から控除する」

「バスカーテン代は、使用の有無に拘わらず入居者の負担」

賃貸契約書の特約条項としてよく見かけます。果たして有効なのでしょうか。

判例は特約条項の有効性については、かなり慎重に判断しており、「通常の使用」によって

必然的に発生する汚損・損耗を賃借人に負担させるような特約は、原則として無効である

と判断しています。

平成 2.10.19 名古屋地裁

平成 8.3.19 東京簡裁

平成 7.8.8 東京簡裁

平成 6.7.1 東京地裁

平成 7.7.18 伏見簡裁

今回の全面的(完全)原状回復特約は無効か

特約すること自体は、契約自由の原則上有効です。本来は、「特約」も約定(契約)の一つ

に過ぎません。その約定のうち、「特約」とは、当事者間で特別に約束するとしたものに過

ぎないのです。しかし、特約として約定したら全て有効なのでしょうか。この敷金清算に

ついても、当事者間の「特約」をもって対処しようとされる賃貸人の方は、今も少なくあ

りません。その典型的な例が、いわゆる「原状回復」特約でしょう。帰責の有無にかかわ

らずリフォームやハウスクリーニングの各代金のその他の原状回復費用の全額を賃借人に

負担させる特約です。このような(前述もしました)「原状回復」ということば通りの原状

(成約当初)への回復を求める全面的(完全)原状回復特約もあり得るのです。しかし現

在は、その種の特約は、契約書に記載され、当事者が判を押したとしても、それは不当条

項として消費者契約法や暴利行為として民法によりその効力が否定される傾向がますます

強くなっています(消費者契約法 9・10 条、民法 90 条等、大阪高判平 15・11・21、京都地

判平 16・6・11 等)。都の新ルールも「特約はすべて認められる訳ではなく、内容によって

は無効とされること」がある旨を明らかにしています。

本質を原則として「損害賠償」の問題としてとらえるので、その例外である「原状回復

特約」は、例外は限定して認めるべきなので、容易には認めがたいということです。

実際にも、この種の不当とされる原状回復特約は、賃貸人側もいわば「駄目元(もと)」

的に入れているようです。賃貸人側は、この種の特約を約定させ、素直にその約定通りと

認める賃借人からはそのまま取立て、他方、その約定に苦情等を申し立てる賃借人には、

その請求を引っ込めているのが実態です。

NPO法人日本住宅性能検査協会

賃料減額しない旨の特約があっても借主の減額請求権が認められた事例

建物所有を目的とする土地の賃貸借契約において、

賃料を減額しない旨の特約があっても、

賃借人から借地借家法第11条の規定に基づく賃料減額請求権の行使が

認められた事例 (最高裁平成16年6月29日判決、判例時報1868号52頁)

(事案の概要)

本件土地賃貸借契約は、「3年ごとに賃料の改定を行うものとし、

改定後の賃料は従前の賃料に消費者物価指数の変動率を乗じ、

公租公課の増減額を加除した額とするが、

消費者物価指数が降下しても賃料を減額することはない」旨の特約が付されていた。

これまで、本件土地の賃料は、本件特約に従って3年ごとに改定されてきたが、

賃借人は、「その後土地の価格が4分の1程度に下落したことなどに照らして

現在の賃料額は高すぎる」と主張して、賃貸人に対して賃料の減額を請求し、

減額後の賃料額の確認を求めて本件訴訟を提起した。

これに対し、原審の大阪高等裁判所は、「本件のような賃料の改定特約は、

賃料の改定をめぐって当事者間に生じがちな紛争を事前に回避するために、

改定の時期、賃料額の決定方法を定めておくものであり、本件特約は、

消費者物価指数という客観的な数値であって賃料に影響を与えやすい要素を

決定基準とするものであるから有効である。

したがって、本件特約に基づかない賃借人らの賃料減額請求の

意思表示の効力を認めることはできない」として賃借人の請求を棄却した。

そこで、賃借人は、原判決を不服として、最高裁に上告受理の申立てを行った。

(判決)

最高裁は、上告受理の申立てを受理し、『本件土地賃貸借契約においては、

消費者物価指数が降下したとしても賃料を減額しない旨の特約が存する。

しかし、しかし、借地借家法第11条1項の規定は、強行法規であって、

本件特約によってその適用を排除することができないものである。

したがって、賃貸借契約の当事者は、本件特約が存することにより

借地借家法第11条1項の規定に基づく賃料減額請求権の行使を

妨げられるものではないと解すべきである。』と判示した。

(短評)

本件は、賃料改定特約がある場合に、

特約に基づく請求ではなく(本件では「減額することはないとの定め」が

あるためその余地はないが)、借地借家法第11条に基づく賃料減額請求が

できるかがあらそわれた事案であるが、特約によっても減額請求を制限することは

できないとのこれまでの最高裁判例を確認したものである。

本判決は、賃料の減額をしない特約が明らかに存する場合においても、

賃借人からの賃料減額請求が認められた点において事例的な意義がある。

契約書1

契約書の内容が借主に一方的に不利なので拒否したいのだが‥

(回答)

契約というのは、本来、対等平等な2者の間において、

一方からの「申し込み」と他方の「承諾」によって成立します。

これは、「諾成契約」と呼ばれており、口頭だけで成立します。

たとえば、何かを買いにお店に行った場合を想定して考えればよくわかると思います。

「これをください(申し込み)」、お店「ありがとうございます(承諾)」。

日本の社会自体も、対等平等を前提としていますから、

契約に関しても、「契約自由の原則」(私的自治の原則)というものがあり、

人身売買や殺人依頼など、公序良俗に反するような契約は無効ですが、

それ以外は、原則として、自由に契約することができるのです。

なお、建物の賃貸借契約では借地借家法の強行規定に反する契約は無効であり、

例文解釈と言って、契約書、契約約款中の定型的文言の解釈で、

文言通りに適用すると不当な結果となる場合に、その不当性を回避するために、

その文言を「単なる例文である」として、その有効性を否定する

契約解釈の手法などが適用されるときも無効となります。

「自由に契約する」というのは、契約内容も自由ですし、誰と契約しようが、

逆に契約を拒否すること自体も自由なのです。

さらに、契約の形式も自由なので、文書でも口頭でもかまわないのです。

民法自体も、「契約自由の原則」を前提としつつ、

契約内容を取り決めなかった場合のルールを規定しているのです。

賃貸借契約も、本来は、対等平等な私人間で契約すべきです。

しかし、実際には、対等平等どころではなく、

立場の強い家主が一方的に定めた契約内容を、

立場の弱い借主が承諾するかどうかにかかっているわけです。

ということは、単純に考えれば、借主に一方的に不利な規定を拒否したくても、

家主が認めてくれなければ、結局は契約そのものが成立しないのです。

つまり、家主には、「あなたとは契約しない」という権利があるわけで、

家主に「契約せよ」と請求すること自体できないわけです。

そういう状況を背景として、

民法だけでは立場の弱い借主が一方的に不利であるとして、

借地借家法(旧借地法、旧借家法)が誕生しました。

そのため、借地借家法では、「強行規定」というものを設け、

一部の規定については、「契約書にどのような記載があっても、

借地借家法の強行規定に反するもので、

借主に一方的に不利な条項は無効である」としているのです。

また、2001年4月には、消費者契約法というものもできました。

この法律では、「消費者の利益を一方的に奪う契約条項は無効である」としており、

賃貸借契約書にどのように記載されていても、

消費者契約法に違反するとされた場合には、借主は従う必要がなく、

裁判しても勝訴する可能性が非常に高くなってきています。

相談内容を見ると、「借主に一方的に不利‥」ということですが、

具体的な記載条項を確認する必要があります。

その条項が、借地借家法の強行規定や消費者契約法に違反すると

認められる場合には、そのまま契約しても、条項としては認められませんが、

できれば、トラブル予防のために、家主に「法律上認められないと思うので、

削除してもらえないか?」申し出ることもできます。

ただし、言い方には気をつけないと、

家主が契約そのものを拒否してくる可能性があります。

一方、上記の規定・法律に違反していない条項については、借主としては、

認めなければ、契約できない可能性が強くなります。

一般的な傾向として、空室が出てもすぐに借主が見つかるような

条件のよい物件の家主は強気ですので、

借主から「不利な条項を削除してくれ」と申し出ても、

「無理に契約してもらわなくて結構。他にいくらでも借りたいという人がいるから」

という答えが帰ってくるのがオチでしょう。

従って、「借主に一方的に不利な条項がある」場合、

「不利を承知でも契約したい」のか、

「納得できなければ契約しない」のかをはっきりさせた上で、

家主(仲介業者)との交渉に臨まなければなりません。

重要事項説明書4

重要事項説明書の記載内容が実際とは異なっていたので、

業者に「契約を解除したい」と言ったが、

「申し訳ない」というだけで埒があかない。

(回答)

重要事項説明書の記載内容は、

契約するかどうかを判断する上で重要となる内容を説明したものですから、

記載内容自体が間違っているという場合は、

業者として、何らかの責任を負わなければなりません。

「記載自体が間違っている」場合の原因としては、

家主が業者に提供した情報自体が間違っていたケース、

業者が過失で記入間違いしたケース、

業者が故意に記載内容を変更したケースなどが考えられますが、

はっきりさせなければならないのは、

もし、「記載内容が間違っていなければ契約したかどうか?」です。

たとえば、遮音構造を物件選びの際に重視していた人が、

鉄筋コンクリート造だと説明されていたものが、

実際には鉄骨造だった場合などは、

業者は、単に「すみません」では責任をおったことにはならず、

契約解除する場合の損害をすべて負うべきでしょう。

しかし、建築年が1・2年事実と異なっていたというようなケースや

全体の部屋数が少し食い違っていたというようなケースでは、

契約するかしないかにほとんど影響はなかったはずですので、

損害賠償まで求めるのは無理でしょう。

従って、ご質問のケースでは、業者に対して物件探しの際に

重視するポイントとして説明していた事項が間違っていたのかどうかが

ポイントとなり、業者に対する責任追及の内容も

おのずと異なってくるものと思います。

不動産広告

不動産広告では「徒歩5分」となっていたので契約したが、入居後、実際に歩いたら、

10分以上かかったので、「インチキではないか?契約を解除したい」と言ったところ、

業者は、「人によって歩く速度が違うから仕方ないし、解除するなら、

通常の手続きとなる」と言った。業者に反論することはできないか?

(回答)

どの業者も従うべきとされている「不動産の表示に関する公正競争規約」によれば、

「80メートル=1分」として計算することとされています。

したがって、道路距離(直線距離ではなく実際に歩くことができる道路の道のりを測った距離)が、

「80メートル×5=400メートル」に近くなければ、誇大広告となります。

ただし、坂道や信号等は計算に加える必要はないとされていますので、

広告基準に従っていたとしても、実際に歩くと多少は遠くなってしまうことが多いのです。

ゴミ処理3

しょっちゅう車の往来がある場合の騒音基準であるのに対して、

ゴミ回収車の場合には、ほんの2~3分程度の時間だけのことだからです。

そのことから考えると、多少、ゴミ回収車の騒音が、交通騒音の基準を上回っていたとしても、

受忍限度であると言えるのではないかと思います。

なお、別の角度から、この問題を考えると、同じ物件で、

ゴミ回収車の騒音問題で苦情を言っているのは何人くらいいるのかもポイントになります。

つまり、このような苦情が、非常に限られた入居者だけ(一人だけ)というような場合には、

騒音自体の問題よりも、物音を騒音として捉えてしまうということに問題があるように思います。

音に対して、過剰な反応をしている可能性があるのではないかということです。

もし、そういうことであれば、耳栓をして自己防衛するとか、

一度、病院などで診察してもらって、原因を調べてもらうという手もあります。

そういう問題ではなく、建物の物理的な構造に起因すると考えられる場合には、

窓ガラスを2重窓にしたり、エアタイトサッシに代えてもらったりして、

遮音構造を増強したほうがよい場合もあります。

入居者の死亡1

先日借家で一人暮らしをしていた祖母が亡くなると大家さんの態度は急変し、

敷金の返還はもちろん拒否し、遺族が1~2年家賃を払い続けてほしい・・・と言うのだが、

そこまでしないといけないのか?

(回答)

借家人が死亡した場合、

一般の賃貸借契約(「高齢者の居住の安定確保に関する法律」による特別な契約は別)では、

遺族が、借家人の権利義務関係をそのまま引き継ぐのが原則です。

したがって、解約の手続きを行わなければ、いつまでも家賃を支払い続ける義務がある一方、

敷金の返還請求権があります。

住む必要がないと思いますので、相続権を持っている人全員の意思を代表して、

相続人の一人が家主と交渉し、契約解除の手続きを行ったほうがよいでしょう。

なお、当然ながら、無駄な家賃を支払い続ける義務はありません。