定期借家契約での途中退去3

定期借家契約で一戸建ての借家(延べ面積250平方メートル)を借りていたが、

このたび、老親が倒れて寝たきり状態になってしまった。その介護のため、

急きょ、実家に帰らざるを得なくなり、家主に契約解除を申し出たが、

「定期借家契約なので途中解約はできない。どうしてもというのなら、

契約期間終了までの家賃を支払ってから退去してくれ」と言ってきた。

家主の主張は横暴だと思うので、支払いに応じたくはないのだが‥。

(回答)

一般の定期借家契約(床面積が200平方メートル未満)なら、

「親族の介助」により、借りている物件に住めなくなった場合には、

借主の途中解約を認めています。

ところが、200平方メートル以上の物件の場合には、

解約権が認められていないのです。一般的に考えても、

借家で200平方メートル以上というのは、非常にまれなケースであり、

そういう物件を借りる場合には、かなり高額な家賃が予想されますし、

また、大勢で住んでいる可能性もあります。

借地借家法で規定している「転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情」と

いうような事情があったとしても、法律で規定しているところの

「自己の生活の本拠として使用することが困難」なのは、

住んでいる人の一部だけだと考えられます。

そこで、このように広い物件を定期借家契約で借りている場合には、

借主の途中解約権を認める必要性は少ないということから、

床面積の制限が設けられたのではないかと考えられます。

いずれにしても、家主の主張は法的に正しいものですので、

その点を念頭において、妥協点を探るようにしなければならないでしょう。

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