家賃滞納2

契約書には「家賃を3ヶ月分以上滞納すれば即刻退去させる」と書かれていたが、
うっかりして家賃を3か月分滞納してしまったところ、
家主から、「契約違反なので、違約金を支払って退去してもらう」という通告を受けてしまった。
契約書に明記されているのであれば、泣く泣く退去するしかないのでしょうか?

(回答)

前項で解説しているように、家賃の滞納による契約解除は、
契約書に記載されている通りに行うことはできず、家主と借主との間に、
「信頼関係がなくなってしまった」というような状況になって初めて、
契約解除が可能であると解釈されています。

その観点から相談内容を見ると、確かに、借主は3ヶ月間家賃を滞納していたわけですが、
「うっかりして」いたということが、ひとつのポイントになります。
つまり、借主が家賃を滞納している間、家主は、借主に対して、
一度も家賃の督促を行わなかったようなのです。

借主からすれば、わざと滞納を続けていたというよりも、うっかりミスにより、
家賃の滞納が続いてしまったということですが、こういうケースはけっこうあるものです。

例えば、学生などの場合、家賃の支払いが、契約者本人が支払うのではなく、
実家から振込をすることになっているようなケースがありますが、
実家からの振込がうっかりミスで滞納されていても、
本人はまったく気づかなかったというような場合です。

そうすると、形式的には、契約条項をそのまま適用すれば
退去させられることになってしまいますが、
借主と家主との間の「信頼関係が破壊されてしまった」というような事情は
認められませんので、家主側からの契約解除は不可能なのです