契約の成立3

申込書を提出し、手付金も支払っていたのに、後日、仲介業者から、
「家主の都合で入居できなくなったが、まだ、連帯保証人の保証書が提出されておらず
契約は正式には締結されていないので、預かった手付金を返金する」という連絡が入った。
現在住んでいる物件の退去通知も行ったため、
いまさら契約できないといわれても困るのだが、何とかならないか?

(回答)

ほとんどの賃貸借契約では、「(連帯)保証人の確保」という条件がついていますが、
これをどのように理解するかによって、契約が成立しているかどうかという判断が分かれてきます。
一部の都道府県によれば、「保証人の確保」は契約の「停止条件」として取り扱っています。
「停止条件」としてとらえると、保証人の保証書が提出されるという「条件」が満たされて初めて、
「契約の成立」とみなされることになります。

逆に言えば、それまでは、契約が成立していないとみなされるわけですので、
仲介業者の主張の通りということになりますので、他の物件を探さざるを得なくなります。
しかし、正確に言えば、「保証人の確保」は、「停止条件」ではなく、「解除条件」なのです。

「解除条件」としてとらえると、「万が一、保証人の確保ができなかった場合には、
成立していた契約を解除する」ということになります。
似ているようですが、法的な意味としてはまったく異なるのです。

なぜ、「解除条件」であるかと言えば、家主にとっては、万が一、
借主側が保証人を立てられないという事態に陥った場合でも、契約を解除する、
保証会社の利用をしてもらう、保証人なしでも契約する
(他の入居者を見つけるのが困難な場合など)などの選択肢があり、
その時点で、解除するかどうかを判断することができるからです。

いずれにしても、保証人の確保は、契約の解除条件ですので、
契約としてはそれ以前に成立していることになります。

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